僕は君を世界で一番、そう一番愛し続けているんだ。純情すぎてもう君しか見えなくなっているこの純愛
そんな当たり前の日常であってくれ。


そう何度も願ったことか。


僕は本当にこの悪夢が夢であるなら、早く目覚めたかった。


これを現実とは受け止めきれなかった。


だが現実というものは本当に残酷なものなのだ。



「お袋はこのこと知ってんのか」


親父は「言ってはいない」



とただ一言答えた。


言ってはいない。そう。



言えるわけがない。



そう思うのと同時に「だって言えるわけねえじゃねえかよ」


と親父は声を押し殺して泣いていた。











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