再見
 それからの一週間は、
長さではなく重さでの方が上手く量れるような、
そんな感覚の八日間だった。
父に会うことができたのは初めの一日と、
北京郊外の寺のような場所で挙げた告別式の日だけだったにも拘らず、
祥子はあらゆる場所で父に会ったように思う。
そして或いはそれは、
祥子にとって初めて出会う父でもあった。

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