だから、笑って。
「・・・なあ」
雨上がりの東屋は雨で洗い流された植物の清々しい香りがした。
何もかも綺麗に洗い流されて、心が軽くなった。
『泣く』ってこんなに落ち着くんだ。
凛くんがこちらを振り向く。
くりっとした目が私を真っすぐに見ていた。
「好きだ・・・・」
え・・・・?
今、なんて・・。
「1年のとき、あんたが落としたハンカチを渡した時、あんただけは何か違うって思った。それからずっと、気がついたらあんただけを目で追いかけてた」
「あんたは俺のことどう思ってるか知らないけど、俺は今そう思ってる、から」
顔を少し赤らめて凜くんは言った。
凜くん、
私はもう、それだけで満足だよ。
また、じんわりと目元が熱くなった。
「私も・・好き、だよ・・」