だから、笑って。


「・・・なあ」


雨上がりの東屋は雨で洗い流された植物の清々しい香りがした。



何もかも綺麗に洗い流されて、心が軽くなった。



『泣く』ってこんなに落ち着くんだ。




凛くんがこちらを振り向く。



くりっとした目が私を真っすぐに見ていた。








「好きだ・・・・」





え・・・・?



今、なんて・・。




「1年のとき、あんたが落としたハンカチを渡した時、あんただけは何か違うって思った。それからずっと、気がついたらあんただけを目で追いかけてた」



「あんたは俺のことどう思ってるか知らないけど、俺は今そう思ってる、から」

顔を少し赤らめて凜くんは言った。




凜くん、


私はもう、それだけで満足だよ。



また、じんわりと目元が熱くなった。




「私も・・好き、だよ・・」


< 100 / 132 >

この作品をシェア

pagetop