だから、笑って。


その日の放課後。


里沙と別れてからすぐさま図書室に向かった。




「失礼しまーす・・」



図書室に入ると、いつもいるはずの位置に凜くんはいなかった。



あれ?確か今日はあるって聞いたんだけどな・・。



まあ、いっか。もう少し待ってみよう。



いつもの凜くんの席に座る。


手前の本棚に、一冊の本を見つけた。



「丸ごとわかる恋愛論・・・か」


パラパラっと本をめくってみる。




好きとは何か・・か。






ふむふむ・・・

意外と論がしっかりとしてて、とても読み入ってしまった。


・・・・にしても凜くん、来ないのかな?









「ずっと一緒にいたい、他の異性と特別な気持ちを持つということは恋なのである。ほー、そうなんだ」


バッ!!


真後ろから声がして、振り向くと凜くんがいた。


いっ、いつの間に・・・!!


「遅れてごめん。課題出してた」


「私も今来たとこだから」



「じゃ、しよっか」



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