だから、笑って。
「ふふっ、菜乃花おもしろい」
隣で笑う凜くんの笑顔はとても眩しくて、とても可愛かった。
それより、さっきからとても視線を感じるな。
道行く人が皆私たちを見ているような・・。
「なんかもう噂広まってるみたいだな・・」
「だね・・」
そっか。クラスだけでなく学年、ましてや学校全体に広まったからみんなの視線を浴びるのも仕方がないか。
でも、人見知りの私にしては少し照れくさい。
そして、凜くんがキラキラかっこいいものだからさらに目立っちゃう。
なんか、こういうの苦手だな・・。
私が俯いていると
「菜乃花、俺の秘密の抜け道教えてあげる」
そう言って凜くんは私の手をとり走り出した。