だから、笑って。
少し外の風景が低くなった教室。
そして、見慣れない人たち。
少し古びた戸が開き、眠そうな男の先生が入ってきた。
「えー、今日からこの2年5組の担任を持つことになった。一年間よろしく」
「「よろしくお願いします」」
ごほん、と先生は咳払いをした。
「で、早速なんだが、席替えをする。くじを作ったから前から順番に引いてくれ」
新学期早々席替えか…。まだクラスの名前の1人たりとも分からないのに…。
そう思いつつも、くじを引いた。
座席表を見ると、引いた席は窓側の後ろから2番目。
里沙が私のもとへ駆け寄ってきた。
「菜乃花、どこの席だった?私は窓から3列目の後ろから3番目。」
意外と近くてホッとした。
「窓側の後ろから2番目だよ」
「そっか!じゃあ休み時間にすぐに行けるね!」
そして、席を移動し、前後左右の人も把握できずに今日は帰宅した。