だから、笑って。
えっと、この本は日本文学だから・・。
私が本を本棚に戻そうとしたとき、横から腕が見えた。
「ちょっとごめんね」
真後ろから優しい低い声がした。
その腕は視界の両端に見えて、ようやく私は彼との距離がとても近いことに気がついた。
これって・・・。
彼は私が本を戻した棚の2・3段上の段に本を戻そうとしていた。
よって、私はすぐ後ろの彼に本棚に押し付けられそうになる形になる。
バサッ!
状況をやっと把握し、私はあまりに驚いたので思わず手に持っていた本を落としてしまった。