だから、笑って。
図書整理を始めてから10分ほどが過ぎた。
図書室のドアが開く音がした。
本棚で死角になっているので、誰が来たのかはわからない。
私は構わずに黙々と作業を続けた。
「あっ、いた。」
頭上から間宮くんの声がした。
「あっ、間宮くん。」
私は立ち上がってスカートについたホコリを払った。
そして、床に置いていた本を渡した。
「これ、すごく面白かったです!勧めてくれてありがとうございました!」
「どこがよかった?」
「私は、話の構成とストーリーがとても好みでした!」
「それはよかった。・・ちょっとデリケートな質問するけど相川さんさ、恋愛経験ないでしょ?」
グサッ・・・。
間宮くんって、こういうことは言わない人だって思っていたのに意外とイジワル・・・?