だから、笑って。


図書委員がきっかけで知り合った間宮くん。


彼は容姿端麗で誰もが見惚れるイケメンで。


けれども、心の中には触れられたくない何かがある気がして。










ガチャ。



放課後に図書室に入ると間宮くん一人が椅子に座って文庫本を読んでいた。




私の戸を開ける音に気づき、彼は文庫本を閉じた。


「そういえば、部活に行かなくてもいいの?」


私は間宮くんのもとに向かいながら尋ねた。




彼は私に視線を移した。

「部活はもうやってないよ。辞めた」



それは、どうして?

聞きたかったけれど、聞いたらダメな感じがして聞くのを止めた。




さりげなく間宮くんの読んでいた文庫本に目をやった。


バスケットボールが描かれた多分部活をテーマにした小説で、今まで読んでいた小説とは全く系統が違う、一高校生らしい本だった。



「他の皆は・・?」


「来ないよ。来るはずがないだろ」



「どうして?」


「あの伝言は嘘だから」



えっ・・・?



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