だから、笑って。


探し始めて3分くらいが経とうとしていたころ。



「あった」

間宮くんが一冊の本を手に持って私の方へ来た。


確かに、その本だった。


「うん、その本だ!よし、戻ろう」


そういった途端。






バタン!!


重い扉が突然閉まり、その衝撃で今にも消えそうだった明かりが消えてしまった。




「きゃっ!」


いきなり暗くなったので思わず悲鳴を上げてしまった。




「相川さん、大丈夫だから」



そう言って間宮くんは歩き出す。





ガッ・・・。


そして間宮くんは重い扉を再び開いた。




「もっとちゃんと止めておけばよかったね」









はっ・・・・。


我に返ると、私は間宮くんの腕にしがみついていた。




「わあああ!ごめんなさい!!」

多分、扉が閉まった時に反射神経でしがみついたのであろう。



すると間宮くんはぶはっと吹き出した。




「いや、いいよ。かわいいかわいい」


そう言って間宮くんは私の頭を撫でた。




きゅうっ・・・と胸が熱くなるのがわかった。

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