だから、笑って。


「んー・・・終わったー」


間宮くんが伸びをした。



作業は1時間もかからずに終わった。



「間宮くん、手伝ってくれてありがとう!」



「ん。力になれて何より」


そう言って間宮くんはリュックを背負った。



「あ」


図書室から出ようとしたとき、間宮くんはポツリとつぶやいた。





間宮くんのちょうど目の前には植物図鑑が置いてあった。



「あんたの名前、菜乃花だろ?」


そう言って間宮くんはぱらぱらと植物図鑑を開く。





「あった」

間宮くんは菜の花のページを開いて見せてきた。



そこには黄色い菜の花が写っていた。



「私のお父さんとお母さんね、昔から菜の花が好きで植物園に出向いたときに菜の花の前で出会ったんだって」


「うん」



「それで、菜の花のようにみんなに愛される人になってほしいから菜乃花って名前になったって教えてくれたんだ」



「すごくいい話だね。菜の花を見たらあんたのこと思い出しそう」


間宮くんは図鑑の菜の花を見て笑った。



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