だから、笑って。


学校から駅までの距離はあっという間で、時空が歪んでいるのでは・・?って思うくらいに早かった。



「そういえば、同じ電車だったよね」

駅舎に入り、傘を折りたたみながら凜くんは言った。


「うん。・・・知ってたんだ」


すると凜くんは笑った。


「知ってるよ」



改札を通って私たちはホームへ出た。




まだまだ止みそうにない雨が駅の屋根を叩く。





雨音をかき消すように電車は入ってきた。


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