だから、笑って。
「大丈夫だった?」
誰もいない廊下を2人、歩く。
遠くからはバレー部のかけ声が聞こえていた。
「あ、うん。別に今日は用事ないし・・・」
問題視するところはそこではない。
放課後に男女でお出かけ。
これってほら・・・。
デート・・・みたいだよね・・・。
「よかった。今日は放課後の課外授業ってことで」
「ふふっ、放課後なのに授業って変」
「確かに」
少し緊張してきた。でも、凜くんは私の緊張を紐解くように気軽に接してくれた。
最寄り駅に着き、いつもとは違うホームへ向かう。
家の方向とは真逆の位置にあるので乗る電車も違うのだ。