だから、笑って。
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✿ ハジマリ
随分と懐かしい出来事を思い出していた。
ちょうどあの病室からは、桜の花が満開に見えていた。
そして今、高校生になった私は高校の窓から見える桜の木を見て、お兄ちゃんのことを思い出していた。
お兄ちゃんがこの世を去ってから、はや10年が過ぎようとしていた。
私は当時中学生だったお兄ちゃんの年を追い越した。
月日は望んでいなくても、無勝手に流れていく。
お兄ちゃんは今も私のことを見てくれているのだろうか。