だから、笑って。



古本屋を後にした帰り道。




「・・・ごめん、菜乃花。勝手なこと言って」



「いや、いいよ!確かに驚いたけど」




「今度行くときもカップル面しないとまずいかな・・?」


困り顔で凜くんが言う。






本当は・・・


今度行くときは本物のカップルになって行きたいな。なんて思ってたの。




でも、そんなことは恥ずかしすぎて言えるはずがなかった。







「・・・俺は別にいいんだけどな・・」



ポツリと何か凜くんが言ったような気がした。




「ん?何か言った?」


「いや、別になんでもねえ」


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