だから、笑って。



私はふと、行きの時よりもずっしりと重くなった凜くんのリュックに目をやった。



「大漁だね、重そう」


「いろんな作者の人生が詰まってるからどうってことないよ」


おお・・・凜くん、かっこいい・・。


凜くんの突然の名言っぷりに感動。






私たちの影は黒い雨雲から差し込む夕日に照らされてぐにょーんと縦長のへんてこな形をしていた。



すぐ隣にある海は、夕焼け色に染まっていた。





「でも、ここ交通量多いし、若者もいそうなんだけどなあ・・」


「ホントだね。長距離トラックが多いんじゃない?」


「ああ、確かに」



車道には確かにトラックばかりが走っていた。






ん・・・・?





道行くトラックとトラックの間に一つの物体が横切ったのが見えた。






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