愛を知らない一輪の花
確かにあの状況で手を出した事はまずかったと思う。気持ちも伝えず、脅して無理やり抱いた。理性が効かず、只ただ、自分の欲望のままに求め続けた。
寧ろ百合は被害者で、困るというなら百合のほうの筈だ。迷惑どころか、夢にまで見た百合に触れて幸せだった。
だかそんな自分の想いが伝わる訳もない。
「、、、迷惑、、か。そうだな。一方通行の想いは彼女には迷惑だな。彼女の為にはそれがいいのかもしれないな、、。」
「、、、諦めるのか?」
無言でうつむく透に眉をひそめる。
「俺は花屋を目指してがむしゃらに努力していたあの頃のお前が好きだったけどな。、、、勝手しろ。」
そういうと透は静かに出て行った。