愛を知らない一輪の花

普段ならここで反対する本店スタッフが黙り込み下を向く。


「今日あの場に居たものはわかると思うが、これは第三者である、お客様のご意見でもある。私達の仕事は、あくまでも自己満ではなくお客様に花を提供して、その方の心に寄り添う事だ。彼女こそ、それが出来る人間だ。、、、反対意見はないと思うが、、、透。お前はどうだ?」


真剣な目でただ一点、透を見つめる。
その姿は、花屋を立ち上げると言ったあの日の姿そのものだった。








「噂は聞いた。今日山本議員が本店に来たと。、、、本店スタッフの穴埋めに異動になるケースが多いが、今回は違う。、、、本店の誰と斎藤を入れ替えるんだ?」

それを聞いて、本店スタッフが、顔を青ざめ肩を揺らし小刻みに震える。
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