愛を知らない一輪の花
助手席で俯いてる百合を心配そうに見つめる。
こんなに愛される百合を駅前支店から奪うように本店に連れて行き、後ろめたい気持ちでいっぱいになる。なにより、あんなに楽しそうな百合から居場所を奪ってしまった。後悔に押しつぶされそうになりながらも、俯く百合に静かに声を掛ける。
「、、、本当にすまない。俺は君を悲しませてばかりいるな。それにこの前はその、、脅すような事を言って、君を縛り付けた。、、、ずっと謝りたかった。傷付けてごめん、、、。」
「い、いえ。こちらこそ身の程をわきまえず申し訳ありませんでした。それに、私がお願いしたんです!だから、、、謝らないで下さい。」
「あの時は、ついカッとなって強引に事を進めたが、あの言葉は本心だ!ずっと君が欲しかった。君だけが。、、、それだけは信じてくれないか?」
弱々しい声に戸惑いながらも蓮を見る。