愛を知らない一輪の花
「本当にごめん、、、。君が心配なんだ。頼むから、送らせて欲しい。」
握られた手が熱い。射抜くような真剣な目に百合は、頷いた。
車内は音楽だけが、響く。
百合はなぜここまで蓮がしてくれるのか、いまいち理解出来なかった。あの日の罪滅ぼしなのか。それとも、、、身体だけの関係を続けたいから優しくするのか。
「透に聞いたよ。家は駅前支店の近くだって。、、、それなら本店からは大分遠いな。」
突然の話しかけられ、驚きながらも笑いながら答える。
「そうですね。通勤の事を考えるとこちらに越してきた方がいいかもしれないです。」