愛を知らない一輪の花
「ごめんなさいね。百合ちゃん。ろくに休憩も取れなくて、、、私達だけじゃ間に合わなくて。」
お母さんほど年の離れたパートの岩本さんと島本さんは申し訳けなさそうに駆け寄った。
「ふふっ、しっかり休憩できましたよ。生け込みに入るので岩本さんと島本さんは配達と斎場へのスタンドの搬入をお願いしてもよろしいですか?」
「もちろん!任せてちょうだい!、、、でも支店長にあきれられちゃったわ。支店長や百合ちゃんだったら終わってるわね。」
落ち込んだように溜息を吐いた。
「支店長はお二人の事、とても頼りにされてますよ。仕事は丁寧で的確。スピードも大切ですが、お二人の1つ1つに真心を込めていけられた生花スタンドが私も好きです。それに、ご家族も帰りを待ってらっしゃるのに無理をさせて申し訳ないとおっしゃってました。」
気持ちが伝わるように目を見てゆっくりと伝える。