愛を知らない一輪の花

「、、、そういえば、社長は支店長と仲がよろしいのですか?」


百合の質問に苦笑いを浮かべる。


「高校の同級生なんだ。なにかと気もあってそれからつるんでる。たまたま大学も一緒で、結局この会社を立ち上げたときに、無理矢理引っ張ってきた。あいつのお陰でここまで来た。感謝してもしきれないんだよ。」

優しい表情で透のことを話す蓮に、百合は一瞬悲しそうな顔をして、微笑む。

「好きなんですね。、、、羨ましいです。私にはそんな存在いませんから。、、、たまに、もの凄く寂しくなることがあるんです。学生の頃は周りに同じ様な悩みを抱える人がいて、一緒だから大丈夫だって思えてたんです。でもそこから離れて、いざ仕事を始めると今までフタをしていたものが、誰かの暖かさに触れると溢れてくるんです。、、、やっぱり私は1人なんだって。なんて!なんか湿っぽくなってしまってすみませんっっ。初めての場所に緊張して疲れが出てしまったみたいです。社長や支店長は本当に凄いです!いつだって疲れた顔1つ見せずに仕事されてますもんね。」


ぽつりぽつりと話していた百合が、慌てて話題を変える。
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