愛を知らない一輪の花
支店長の号令で速やかに残りの業務に取りかかる。
ほどなくして駅前支店の閉店時間になり、閉店準備に入る。
外のディスプレイを片付けている百合は
後ろから亜子に手を引かれる。
「百合さん!その、、、ごめんなさい!私っ、、、。」
今にも泣きそうな顔で言葉を詰まらせる。
「亜子ちゃんは今日は大事な用事があるでしょう?朝嬉しそうに教えてくれたじゃないですか。遠距離の彼氏さんが帰ってくる日だって。」
「でも、、、それはプライベートの事で、、、私、社会人失格です。私情を挟んで百合さんにヘルプいかせるなんて、、、。」