愛を知らない一輪の花
「、、、10分下さい!!」
それを聞いて田中が客に声をかける。
「お客様。大変お待たせしております。10分ほどお時間頂けますでしょうか?」
「、、、10分?良いわ。待つわ!急いで頂戴!!!」
百合はオーダー通りにいつも以上に手早く束ね、ラッピングをする。作り置きのリボンを付けお店に走り、腕を組んでイライラした客に声をかけた。
「お客様。大変お待たせいたしました。ご注文頂きました、花束です。どうぞ。」
ちらっと時計を見た客は、驚いて百合を見た。
「まだ5分ちょっとしか経ってないじゃない?!しかもなんかちょっと、、、豪華ね。」
百合は眉を下げながら、微笑んだ。