愛を知らない一輪の花

百合の説明に、店内にいた客もスタッフも聞き入ってしまう。

「お姉さんのオススメはどれですか?」

「そうですね。どういった事にお使いになられますか?」

「彼女が雑誌に載っていたシャボンフラワーを見て欲しがっていて、プレゼントしようかなって思ったんです。」


照れたような笑顔に、百合もつられたように微笑んだ。

「でしたら、こちらのボックス型のシャボンフラワーなどいかがでしょうか?女性はこういうジュエリーボックスのような物が好きです。花と花の間にパールやストーンなど入っていて綺麗ですよ。色も5色あります。」

「、、、彼女が好きそう。じゃあ、それのピンクをお願いします。」

「ありがとうございます。ラッピング致しますので、少々お待ちください。」

百合は透明のセロファンに色紙を挟んでラッピングする。上の方を二箇所縛り、それぞれリボンでむすぶ。最後にカールリボンを垂らして完成だ。
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