愛を知らない一輪の花
そういうと百合の目の前から、去って行った。
その日から、百合に向けられる視線は酷いものだった。女性から軽蔑されたような視線を受け、男性からはニヤニヤと欲にまみれた視線。
そして一人きりになると男性に声を掛けられ、夜の相手をして欲しいと頼まれる。
その度に、たまたま通りかかった駅前支店長の透やモール支店長の由美子、かつての同僚である駅前スタッフが必死になって助けてくれたが、そろそろ限界になってきた。
蓮に相談することも出来ず、思い悩んでいた。
事務室に日報を提出しに部屋へ行く途中、使ってない会議室に連れ込まれた。
振り向くとそこには取り引き先の常務がニヤニヤしながら、立っていた。