愛を知らない一輪の花

食事の時間になり、トレーを持って 一列に並んで配膳する。蓮は豚汁を担当し、回って来る子供達に注いでいた。百合の姿を探すと、一番後ろ並んでいた。最後の番になり、百合の器に多めに豚汁を入れる。
すると百合は器を突き出した。


「もう少し、減らして頂けませんか?」

「なんで?これぐらい食べなよ。そんな痩せっぽちじゃ身体に良くないだろ。多ければ残せばいい。」


「残すだなんて、勿体無いです。、、、今日は皆さんがいらしてるのでご馳走なんです。普段こんなオカズや量もないんです。」

ちらっと食べている下の子達をみて


「出来るだけ、沢山食べさせてあげたいんです。あんなに嬉しそうに食べているのですから。だからおかわりさせてあげたいんです。」


そんな姿を見て、優しく微笑んだ。


百合のそんな姿に、胸が締め付けられた。
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