愛を知らない一輪の花
結局、帰る日まで百合とは会えなかった。
ボランティア活動を終え、見送りに来た百合を捕まえた。
「あの!、、この前はごめん。君を傷つけてしまって。、、、ずっと謝りたかったんだ。」
百合は困ったように笑った。
「いいえ、こちらこそ大声を出してしまってすみませんでした。ですから、気になさらないでください。」
頭を下げ、その場から立ち去ろうとする百合に手を伸ばした。
掴まれた手首に驚き、顔を上げる。
「、、、君の将来の夢はなんだ?」
「将来の夢、、、ですか?」
蓮からの急な問いかけに、考えこんだ。
「人の役に立つ仕事に就くことでしょうか。、、、出来れば人を笑顔にさせられるような仕事。、、、お花屋さん、、とか?」