愛を知らない一輪の花

意識のなくなった百合を抱き続けた。

冬なのに身体が熱い。冷めない熱に嫌気がさしながら、百合を抱きしめる。






自分の目の前を通り過ぎようとした瞬間、男物の香水の香りがした。自分が自分をコントロール出来ない。優しくしたいのに、怒りをぶつけてしまう。

そんな身勝手な行為でも、初めて百合から求められ止まなかった。



何度も名前を呼ばせ、身体に刻み込んでいく。上書きするように、、、求め続けた。

百合の流した涙は、何故か分からない。

、、、それでもキツく身体を抱きしめた。
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