愛を知らない一輪の花
蓮は無言で常務を通りすぎ、受話器を取って内線を掛けた。
「常務がお帰りだ。」
そういうとガチャンと乱暴に電話を切る。
ゆっくり振り向き、常務を見つめる。
「、、、頭が可笑しいって?俺は彼女の為にこの会社を立ち上げた。どんな理由だろうが、百合を傷つけることは、許さない。、、、利益か彼女か。、、、そんなの彼女に決まっている!!!!」
騒がしい社長室に呼びに来た秘書と、通りかかった透が慌てて、中へ入って来る。
掴み掛かろうとする蓮を、透が止めに入る。
「2度百合に近づくな!!近づいたら、、、、殺すぞ。」
常務は恐怖に怯え、慌てて逃げだしていった。