愛を知らない一輪の花

次の日、駅前支店でも社長のお見合いの話で持ちきりだ。


黙々と仕事をこなす百合の前に、松田が真剣な表情で近づく。

不思議に思い、百合は首を傾げる。

「どうしたの?、、、松田君?」


「噂って本当なんですか?、、、社長と付き合ってたって。」

「ま、松田君!!なにいっ『真紀さんは黙って下さい。俺は百合さんに聞いてるんですよ。』

慌てて止めに入る真紀に、松田は唸るように呟く。







「、、、まさか。そんな訳ないじゃないですか。誰かそんな噂っ!困っちゃいますね。」


おどけたように笑う百合に、松田が苦しそうな顔をする。
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