愛を知らない一輪の花

苦笑いした百合に慌てて声をかける。

「違う違う!斎藤ちゃんの敬語、柔らかくて私好きよ。治すことないよ。斎藤ちゃんのその優しい敬語に癒される人も多いしね。」


「すみません。なんか気を使わせてしまって。でも、、、嬉しいです。」


少し恥ずかしそうに柔らかく微笑んだ百合にどきっとした。

(こりゃ男は落ちるわぁ〜)



「斎藤ちゃんって恋人いるの?あんまり噂聞かないけど。」


「恋人はもう随分居ません。いつもわたしが振られるんです。恋人っていう特別な関係が築けなくて。どうも向いてないらしくて、、、。ここ最近はもう諦めちゃいました。」


ふふふっと明るく振舞った百合に由美子は胸を締め付けられた。男はほっておかないだろうが、本人がもう恋愛をする気がないようだった。
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