愛を知らない一輪の花

「いやいや、そこまでしてもらったら透さんに怒られちゃうし。気持ちだけ貰っておくね。明日は人も多いし、朝からでも間に合うと思うしね。本当に今日はありがとう。助かった〜!またお願いしてもいいかなっ?」


「勿論です!お役に立ててなによりです。またいつでも連絡下さい。私も由美子さんに会いたいですし。」


「もぉ〜〜!本当に可愛いんだから!夜も遅くなっちゃったから気をつけて帰りなね?今日も電車かな?タクシー使う?呼ぼうか?」


時刻は午後10時30分。終電はまだあると思うが、さすがに帰りが心配になり電話の受話器を持つ。


「いいえ〜。大丈夫です!私こう見えて歩くスピード早いんですよ。この時間なら終電も間に合いますし。」


「いや、そっちの問題じゃなくて。」



由美子がそう言いかけた時に後ろから声がした。
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