愛を知らない一輪の花

「はい。今日は本当に無理を言ってすみません。助かりました。斎藤ちゃん、透さんに送ってもらいな?」


戸惑いながらがらも百合は急いでロッカーから荷物を取りに行き、時間を確認して透の近くに駆け寄った。



「支店長は遅くまでの会議でお疲れですよね?私のアパートはここから遠いですし、この時間ならまだ終電もありますから、私も大丈夫です。」


「駄目だ。遠いならなおさら車で帰った方が早い。それに今日はいつもより会議も早く終わったから気にしなくていい。」


「でも、、、、。」


「いいから。こっちも色々事実があるんだ。帰りに何かあったら、煩く言われるだろ。」


百合はきょとんとした顔で透を見る。


「煩くって誰に、、、ですか?」
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