愛を知らない一輪の花
「真紀ちゃん、村上様の白仕立て作って置おきました。ラッピングまでしておきましょうか?」
「百合さん、ありがとうございます〜!お願いします!」
「式場の打ち合わせに行った、相良さんから百合さんにお電話です!2番です!」
「本社の鉢物部の巻さんから来週お届けの特注寄せ鉢の件でお電話です!百合さん、大丈夫ですか?」
百合も週末は忙しい。この店舗で全業務を把握しているのは支店長と百合だけ。
支店長は電話の後、本店へ出かけていってしまい、頼れるのは百合だけだ。
「相良さんには後で折り返しますとお伝え下さい。」
「巻さんのお電話変わります!」
作業場の電話を急いで取る。