愛を知らない一輪の花

支店長に睨まれ、スゴスゴと業務に戻った。
百合は内心気が気じゃなかったが、今はテーブル花を仕上げなければと業務に集中した。










「明日の式場の花の準備が終わったら、今日は片付けに入ってくれ。」

明日の最終確認を済ませ、必要な物を集めていると荷物も持ったスタッフに声を掛けられた。

「お疲れ様でーす。お先に失礼しまーす。」

パートやアルバイトの子達も次々に帰宅して行く。溜息ばかりでなかなかはかどらない準備に嫌気がさし、百合は、また深い溜息をはいた。



「百合さん、そんなに思い詰めないで?ただ美味しい料理食べて飲んで楽しめばいいだけなんですから〜!ではお先でーす。」

手が止まっていた百合の横を松田は通りすぎながら苦笑いをして帰っていった。
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