愛を知らない一輪の花
「百合ちゃん!ごめんね!式場の準備1人でさせちゃって。あと何すればいい?」
式場の打ち合わせから帰ってきた相良の声が俯いていた百合の正面から聞こえた。
ぱっと顔を上げる。
「あ、、、!打ち合わせお疲れ様です、相良さん。あとは明日すぐに出れるように荷物を車に乗せておこうと思ってます。」
「おっけー。これね!」
相良は入社5年目の36歳。中途採用でここに配属になった。ショートカットにサバサバとした性格で頼れる人生の先輩だ。
「、、、聞いたよ〜。今年の忘年会強制なんだってね〜。それでそんな浮かない顔してるんだ〜?」
苦笑いしながら、相良は車に式場の荷物を乗せていく。
「忘年会、出た事なくて、、、初めての事で少し驚いちゃいました。」