愛を知らない一輪の花
式場を足早にあとにして、気合いを入れ直す。
駅前支店に戻ってからは、残りの仕事に没頭した。予約のアレンジを作り終えたところで、透に声を掛けられた。
「斎藤、時間だぞ。もう上がれ。相良から聞いてる。下田と澤田も上がらせる。後は俺がしとくから、行ってこい。」
「すみません、、、私事で。」
申し訳なさそうに頭を下げる。
「いいんじゃないか?お前は良くやってる。たまには羽伸ばしてこい。これぐらいバチ当たらないだろ。」
優しい顔で背中を押す。
「そうですよ〜!楽しみにしてます!百合さんのドレス姿!!」
「お前はもうちょっと真剣に仕事しろ。」
そんなツッコミに笑いながら、2人に小脇に抱えられながら会社を後にした。