愛を知らない一輪の花


「透、また呼び出しか?」




その夜、本社に呼ばれていた透は社長室から出てきた松下 蓮に声を掛けられた。


リス・フルール 代表取締役 松下 蓮。37歳と透と同じ歳ながら、若くしてこの会社を立ち上げ今や大手の仲間入りだ。その実力もさることながら、178センチの長身に程よく鍛えられた肉体。サラサラの黒髪から甘めのマスクが顔を覗く。雑誌やテレビにも花屋のイケメン社長とよく取り上げられている。



「あぁ。、、、お陰様で。こっちは連日、本社通いだ。」


嫌味を込めてゆっくりと振り向く。
苦笑いな顔の蓮と目が合う。



「そう言うなよ。お前にしか出来ない仕事があるんだ。仕方ないないだろ?それだけ仕事ができるってことだよ。」
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