愛を知らない一輪の花
「物は言いようだな。我儘な連中ばかりでこき使われまくりだ。体調不良で死にそうだ。」
近くの自販機でコーヒーを買い、溜息をつきながら口をつける。
「それに、誰かさんの突然の思いつきでこっちはいい迷惑だ。忘年会をはしゃぐ奴らで来週までこのムード一色だろうな。」
「、、、こうでもしないと近づけないと思ったんだよ。そういう飲み会には参加しないし、本社にくる事もほとんどない。なにより駅前支店には来るなって、お前が言うから仕方ない。」
「人混みとかそういうの苦手なの、もうわかってるだろ。本社に使いにやれば、捕まって2時間ぐらい帰ってこないし。お前が来たら、それこそうちの奴らが仕事にならない。」
「だからこうして忘年会をダシに使うしかないんだよ。ちょっとぐずぐずしてられない事情ができたんだ。」
蓮は窓を開け、少し冷たい空気に当たる。