愛を知らない一輪の花
「いや、困っていたみたいだったから、、、邪魔をしてすまないね。」
「とんでもありません!危うく百合さんが連れていかれる所でしたっ。」
「そう?それなら良かった。大丈夫だった?、、、駅前支店の斉藤百合さん?」
頭の上に優しく手を置き、目を細め百合に微笑む。その姿にドキッと鼓動が高鳴る。
「下田さんと澤田さんだよね?透からよく話は聞いてるよ。よくやってくれると。ありがとう。これからも宜しく頼むよ。」
振り向きながら2人に言葉を続ける。
「少し彼女に話があるから、先に戻って、透に伝えておいてくれるかな?」
「はいっ!!!分かりました!行こう、亜子ちゃん。失礼します。」
パタパタと会場に戻っていく2人を見つめた後、百合を引っ張り反対方向に歩いていく。