愛を知らない一輪の花

イメージを浮かべながら素早く花を取り出し束ねていく。白と黄色のダリアにオレンジのガーベラにかすみ草。

ビタミンカラーに上品な白も加えて、ラッピングしていく。


「お客様、大変お待たせ致しました。こちらにカードを付けさせて頂きました。」


照れたように微笑んで
「ありがとうございます。凄く綺麗です。少し緊張します、、、。カードというのは?」


「花言葉を少し添えさせて頂きました。、、、白のダリアは感謝。オレンジのガーベラは西洋の言葉で、あなたは私の輝く太陽です。」

「またのご来店お待ちしております。」

花束を差し出す百合のその姿は、息を飲むほど美しい。少し恥ずかしそうに、でも嬉しそうに花束を抱えて帰っていく男性の姿を見て百合は暖かい気持ちになった。


「さすが百合さん‼︎クオリティ高すぎ!しかもあんな短時間で。綺麗なお姉さんが愛を込めて作った花束!もう惚れるしかないでしょ〜〜!」

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