あなたと共に
ある部屋の前に止まった。
多分、斎藤さんの部屋だろう。
「斎藤、居るか?」
土方さんが襖越しに話し掛ける。
「はい、副長何用ですか?」
そう言って、向こうから襖を開けた。
私の姿を見て驚いたのか、
「このお方は?」
と丁寧な言葉で話してくれた。
「こいつは家茂公からの紹介で来たやつだ。お前の小姓にしようと思う。女だが、仕方がない。剣の腕はまだ見てないがなクスッ」
嫌味を言われた感じがする。
「えっと...斎藤さんの小姓と監察方をします、神上千尋です。これから宜しくお願いします」
「.....」
ちょっと...
なんか喋ってよ...
私が苦い顔をしていると、斎藤さんは話した。
「もしかして...お前、ちぃ...か?」
え、待って待って✋
なんで私のことを知っているのでしょうか?
この人は斎藤一でしょ?
私のことを"ちぃ"って呼ぶのは、山口一さんだけで...
あれ?
山口が斎藤に変わったとしたら??
「もしかして...は、はーくん?」
「ちぃ!!!!」
はーくんと呼ぶと、斎藤さん(山口さん?)は抱きついてきた。
「は、はーくん?どうしたの?」
「どうしたもこうしたもあるか!!急に居なくなって...ずっと...探してたんだぞ...」
「えっと...ごめんね...」
土方さんの目が点になってるよ...(笑)
「はーくん、土方さんが...」
「はっ!!!」
土方さんという単語を出した直後、私を離した。
「お、お前らは知り合い...なのか?」
知り合い...というか、幼馴染ですね、はい。
「幼馴染です」
私がそう思っていると、はーくんが言ってくれた。
「そ、そうか...」
ビックリしているみたい笑
「じ、じゃあお前らで色々やっとけ」
そういってそそくさと退散して行った土方さんであった、、、