友情結婚~恋愛0日夫婦の始め方~

半ば引っ張るようにして、目に付いたゲームセンターに入った。

騒音と煙。
まだ十代にも見える子たちが、グループでつるんでいる。

「なんでゲームセンター?」
琢磨がぼそっとつぶやいた。

「あったよね、ボーリング場に」
のぞみは明るく言った。

「……あれ、UFOキャッチャーじゃん」
琢磨が呆れたように言った。

確かにあれは、ゲームセンターと言えるものではなかった。
ボーリング場のスペース有効活用という目的で、UFOキャッチャーが二台置いてあるだけ。
商品はいつも変わらない。いつのまにかガラスケースの中はうまい棒と埃のかぶった高額商品だけになった。

「やろ」
のぞみは琢磨をUFOキャッチャーまで連れて行った。

一番上手かったのは、実はもっちゃん。
うまい棒をたくさんゲットして、その日のおやつにしていた。
< 105 / 120 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop