友情結婚~恋愛0日夫婦の始め方~
半ば引っ張るようにして、目に付いたゲームセンターに入った。
騒音と煙。
まだ十代にも見える子たちが、グループでつるんでいる。
「なんでゲームセンター?」
琢磨がぼそっとつぶやいた。
「あったよね、ボーリング場に」
のぞみは明るく言った。
「……あれ、UFOキャッチャーじゃん」
琢磨が呆れたように言った。
確かにあれは、ゲームセンターと言えるものではなかった。
ボーリング場のスペース有効活用という目的で、UFOキャッチャーが二台置いてあるだけ。
商品はいつも変わらない。いつのまにかガラスケースの中はうまい棒と埃のかぶった高額商品だけになった。
「やろ」
のぞみは琢磨をUFOキャッチャーまで連れて行った。
一番上手かったのは、実はもっちゃん。
うまい棒をたくさんゲットして、その日のおやつにしていた。