友情結婚~恋愛0日夫婦の始め方~
突然、どうしたのだろう?
何かあったのだろうか?
大崎と二人で、なにか話したのだろか。
ちらっと、大崎とのことが頭をよぎったが、小さく首を振った。
あまりにも昔の話。きっと違う。
空の彼方が茜色に染まるのを眺め、そしてのぞみは再び目を閉じる。
大崎とは、本当に久しぶりに会った。
あまり変わってなかった。
相変わらずちょっとかっこいいし、話も楽しい。
あれは高校2年の夏前だった気がする。
大崎は純粋に好奇心から誘ってきた。それは彼の性格を考えるとあたりまえで。
そうだ、負けず嫌いで、琢磨にいつも少しのライバル心を持っていたから。
のぞみの脳裏に大崎の部屋のベッドが蘇る。
ぎこちなくのぞみを脱がしたときの、その気まずそうな顔も。
そうだ。
琢磨があの直前、彼女と初めてしたんだった。
だからそれが大崎の気に触ったんだっけ。
わたしが誘いに頷いたのは。
そうだ……ただの当てつけ。
のぞみの目がぱちっと開いた。
当てつけ?
琢磨への?
ぶわっと、そのころの感情が蘇った。
胸を掻きかきむしるよう腹立たしさ。
なんの遠慮もなく、彼女とのセックスを報告してくる、琢磨のその無神経さに。
あのころは、この感情につく名前を知らなかった。
嫉妬。
そうか、嫉妬してたんだ。