友情結婚~恋愛0日夫婦の始め方~
第4章
第1節
目を開けると、真っ白な天井。
まだもやのかかった頭で寝返りをうつと、隣には誰もいない。
そこでやっと目が覚めた。
手でシーツを触ると、冷え切っている。
琢磨は勢い良くベッドから起きた。
上半身裸で、寒い。
鳥肌が立つ。
—のぞみがいない。
ざあっと血の気が引く。
慌ててベッドから降り、寝室の扉を力任せに開けた。
痛いほどの冷たい風が吹き付ける。
バルコニーには、白いTシャツ一枚ののぞみがいた。
手すりに両肘をついて、空を眺めている。
琢磨は安堵のため息をついた。
寒いのに汗でじわりと背中が濡れる。
昨晩、夢中で彼女を抱いた。
のぞみは背中は反り、鳴き声をあげる。
それは、何度も想像して、何度も打ち消してきた、のぞみの姿。
この表情も、この声も、この中の感触も、俺だけが知ってればいい。
まくらを掴んで顔を隠そうとするのぞみの手を押さえて、唇の端から漏れる喘ぎを唇で塞いだ。
誰にも見せたくない。
のぞみは、俺のものだ。