永く青い季節 〜十年愛〜
「なにナニ?!名前で呼んじゃう関係?
ひでぇなあ、槙野。俺というものがありながら」
「えっ…?」
私の肩に絡んで来る山口さんと、私の顔を交互に見る彼。
「山口さ〜ん、酔っ払ってますよ〜!変な絡みはやめて下さいねー」
笑いながら肩から山口さんの腕を外すと、私はウーロン茶の入ったコップを差し出した。
「わかったわかった。じゃ積もる話もあるだろうから、お前、ここ座れ。俺は、槙野の隣のキョーコちゃん、口説いて来る」
気分良さそうにそう言って立ち上がった山口さんは、キョーコちゃんの席とは反対のトイレの方向に歩いて行った。