永く青い季節 〜十年愛〜
⑦
一週間が過ぎ、社用で私の元を訪れた彼に、私は努めて明るく接するよう心掛けた。
「この前のお祝いの話、近いうちにどうですか?」
車で送って貰ったあの夜の事を、彼は気にしているに違いない。
彼の心に少しでも負担をかけたくない。
けれど、彼と会ってお祝いなどと…
心にもないことを平然とできる自信など、本当はどこにもなかった。
どうして、こんな事になっちゃったんだろう…
会いたくてたまらなかったあの頃、
離れていて、会うのもままならなかった。
会わない方がいい、会ってはいけない今、必然的に会わなければならない状況になってしまった…
神様は意地悪だ。