永く青い季節 〜十年愛〜


「優しい彼が、会ってしまうと情に絆されてしまうから心を鬼にしてそう言ってるのも、だから来る筈ないのもわかりながら、千春はあの場所で一時間以上待ってた。
好きだったから、潔く諦めて立ち去ることができなかったのね…。



そして、あの事故が起きた。



“ 自分が別れ話をしなければ…
指定された時刻にそこに行ってれば…
千春は被害に遭わなかった。
自分のせいだ… ”
藤元くんはきっとそう思ってる。



事故の一報を聞いて藤元くんは病院に駆けつけたけど、千春は腕を何針も縫う怪我と、頚椎を捻挫していて…」
< 133 / 145 >

この作品をシェア

pagetop