永く青い季節 〜十年愛〜
そして夏休み合宿…
この三日間は、言葉は交わせなくても殆ど同じ空間に居られる事が嬉しかった。
そして合宿最後の夜、私は、彼と親しい光井先輩に廊下に呼び出された。
「あの…美織ちゃんさ、彼氏とか好きな人って居る?」
…え?何これ。もしかして私、告白とかされてるの?
しかも、よりによって“彼”の親友に?…
ところが、そうではなかった。
「付き合ってる人はいません。でも私、好きな人はいます…」
「それって…幸…ってことは…ないのかな」
図星をつかれ、一瞬にして頬が上気して目が泳いでしまう。
無言でも肯定している事が、誰からもわかるほど。
「ヤッパなぁ〜!だから心配要らねえって言ったんだよな」
「…え?あの…それってどういう…」
私はさっぱり状況が掴めず、狼狽えている。